この物語はフィクションです。実際の登場人物は一切関係ありません。
翁「明日、海野さんから買うんだけどよ。うちのテレビ電波が入ってないって出るんだよな」
「ですと電波が悪いんじゃないですかね?」
「いやだって、もう一つのテレビはちゃんと映るんだ。電波のはずないだろ?」
「電波も川の流れと一緒で平等ではないんです。ケーブルが外れかかってるとかないですかね?アンテナが故障したのかもしれませんよ」
翁「いやアンテナも新しいし、そんなはずはない。ケーブルはわからんから、明日海野さんから新しいの買った方が早いべ。」
俺「あぁそうですね」めんどくさくなって相槌を打つ。海野の客はこういうのが多い。チェーンストアのルールを逸脱して、本来金をとるべきことをサービスでやってしまう。本人がいいならそれでいいのだが、こういうタイプの客は「海野さんはやってくれた!」と他の店員が因縁をつけられることも多く、我々の店では「海野の枕営業」と揶揄していた。
「ついでにこの携帯の充電がならなくなったから教えてくれ。」ガラケーを載せる充電器、コンセントにつないで見てみる。「ん?大丈夫みたいですよ?」翁「いや途中で充電ならなくなるんだ」それまでずっと見てろというのか?だいたいうちで買った携帯じゃないだろ?ショップに行けよ。と思ったが、「こういうときは直接繋ぐといいんですよ」microUSBを直接繋いで見せる。これでも切れるようだったら機械の故障なので買ったとこに持って行ってください。「おーわかった。やってみる。…ところでこのスマホこうやった時に音がならなくなったんだけど…なんでだ?」
「すいません。詳しくなくてわからないですね。」調べればわかるがなんで関係ない電気屋に聞きにくるんだ?おかしいだろ?翁「じゃあ明日海野さんに聞いてみるな」「はい。かしこまりました。伝えておきます」大変だな。海野。頑張れ。そんなことしながら夜は更けていく。明日も頑張ろう。
海野はbachelor(バチェラー)独り者だが、拘りが強い。
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